高齢化社会の悩み〜現代の姥捨て山。

高齢者を家族が受け入れてくれないことが連発している。
病院が現代の姥捨て山になりそうだ。

肺癌の末期状態の90歳のおじいさん。
食欲なしで入院となったが、結構元気になってきて
全量摂取、本人も早く家に帰りたいと希望している。
先週、自宅療養のムンテラ(あんなに帰りたがっているのですよ、
今を逃すと病気が悪化して帰れなくなってしまいますよ、都合の
良いときに連れて行ってください。)をした。
ところが今週、もう家ではみれない、このままずっと
病院において欲しいと言ってきた。
看護婦さん一同も憤慨。90歳でも自分で歩け、食事も自己摂取している。
性格もおだやかで全く痴呆もない、かわいいおじいちゃんなので
看護婦さんの中でも人気者なのだ。
でも病気もあるし、療養型病院への転院も難しい。
さてさてどうしたものやら。

92歳のおばあちゃん、食欲不振で家族が連れてきた。
外観は特に異常なし、採血・レントゲンもほぼ正常。
入院するほどの状態ではないですよ、と言ったが
寒いし入院させてと家族は粘っていた。
あげくのはてに院長の知己ということで、
姿を見かけた院長から「入院させてやってほしい」と指示がきた。
きっとこのまま最後まで家に引き取ってくれないような気がする。
おばあちゃんは病院食を全量摂取、元気で自宅にいけるのに。

患者が増えていて満床に近いのに、
院長VIPとして問題ない老人を入院させよ、
と指示されるのは医者の意欲を大いに削ぐ。
私だけでもこんな患者が数人いる。
入院期間が長期化すれば、経営は悪化するのはわかっているだろうに、
自分の都合で許可したりする・・。
高齢化社会まっしぐらなので、今後もっと悪化する可能性大。
院長がこんな態度だと、療養型病院への道、まっしぐらになってしまう!

家族への怒り、院長への失望(いい性格の人なのだが)。
なんだかやる気がなくなってきた・・。
やはりこの病院に骨を埋める気にはなれそうにないかなあ。