異分野の講演会

内科と一口に言うが、実際には専門分野はかなり細分化している。
個々の医師にはそれぞれ専門分野を持っており、
自分の専門以外の研究会や講演会にはまず参加しない。
(医師なりたての頃や医学生の頃は参加したが)
臨床では幅広く診るし、また診なければならないが
実際には得意・不得意があるのだ。

先週から夫が夜中〜朝方までパソコンに向い、
文献の束と格闘しているので何が始まるのかと思っていたが
専門分野の以外での研究会での講演を頼まれたそうだ。
その分野は医学教育では習ったが、
夫のような専門外来をしている身ではほとんど未知の分野だ。
(その分野の患者がいたら直ぐにその分野の専門医にまわすだろう。)

夫は何故自分が講演を頼まれたか不思議だったというが、
その異分野の治療薬剤の合併症に
夫の専門分野がかかわっており、最近注目されているのだそうだ。
準備をしながら夫は「面倒だけど、いい勉強の機会になる」
と自己満足の世界に浸っていた。

夫の勉強方法は私から見ると歯がゆいものがある。
もっと早くできるのではないか、と感じる。
夫と私の違いは要領のよさである。
たとえば夫と同じ仕事を命じられたら
断然私の方がてきぱきと終わらせると思う。

でも要領のよさは、いいことなのか悪いことなのか?
要領が悪くてもコツコツと粘り強く知識を深めていく方が
最終的にはより深い知識を得られることになるのだろう。
(現に夫と私の医学知識の差は年々広がってきている、悔しいことに)
その点では要領よさは仇になるかもしれない。
こういうことは昔は分からなかったものだ。

日常生活では愚図でだらしない夫だが、
へとへとになりながら格闘する粘り腰を素直に尊敬している。
私にはそこまで真摯に打ち込めないから・・。

夫への不満は山ほどあるが
こうした尊敬できる点が残っている限り不満はなんとか我慢できるものだ。
結婚は忍耐と辛抱の連続なのだから。
今日の日記はなにやら変な方向に行ってしまった。