変わらなくてはいけない時代になったと思う。

国民皆保険、全国一律の医療費は理想的だが、これを維持するべき時代は終わったと考えられる。

だいたい、研修医による診察も大ベテランの診察も同じ診察料というのは、医療以外ではありえないことだ。特に外科手術の差は大きい。上手な先生も首を傾げるような技術しかない先生も同じ医療費しかとれないのはおかしいだろう。

よりよいものを得たいと望む人は車や服などに高額の支出をするのも厭わないように、よりよい医療を、より経験のあるドクターに頼もうとすればお金がかかるのは当たり前ではないか?お金をかけたくない人はそれなりの医療で我慢してもらうしかないだろう。このことは大部分の医療関係者が感じていることだが、こと健康・病気については自由診療を言い出すのが憚られるので、これまで燻ってきたのだと思う。

日本はアメリカの医療システムを追いかけているが、現在のアメリカは明らかな自由診療だ。医療の差は厳然と存在し、どのレベルの医療を選ぶかは患者に任されている。一生懸命勉強し、経験を積んだ医者や患者さんのことをとても大切にする医者と、適当に日々をすごし、患者のことも自分の実験材料やお金儲けとしか考えないような医者が同じ医療費で診療をおこなうことは間違っている。
変わっていかなくてはならない、医療側も、患者側の認識も。

でも能力の差が給料に響く時代になったら私は生き残れるかしら?生き残れるとしてもどのレベルと評価されるだろうか?・・・・私自身は、落ちこぼれないように、信頼をより高められるように、少なくとも今以上に勉強するようになるだろう。(結局、今は均一の制度に甘えている部分があるのだ。正直に言うと。)

自由診療になれば医者自身の心構えも、仕事への取り組みももっと真摯なものになるのではないだろうか?それが結果として日本の《医療レベル》を引き下げずにすむことにつながり、最終的に患者さんの利益になるだろう、と私は思う。