これからどうなるのだろう?

内科学会は学問的には目新しいことはなかったようだが、自分の専門外の知識が幅広く得られて非常に有意義だった。その専門のドクター達には常識のことでも、専門が違うと結構知らないものだ。それだけ知識が奥深く、専門化しているのだろう。(自分の勉強不足が一番の原因といわれれば、はい、そのとおりです・・汗)学会参加はとても刺激になり、改めて勉強をせねばと気分一新。
講演では若い教授や若いシンポジストが目立ち、いよいよ変革の時だと実感させられた。その反面、よろよろしたかなりの年配のドクターも多くて転ばないか?とか、システムの使い方がわからず戸惑う姿に哀れも感じた。人は皆いずれ老いていき、時代に取り残されるものだけど、賢かったであろう老医師たちも例外ではなかったようだ。

学会内容はもう一度吟味して書くつもりだが、会場であった国際会議場横の住友病院は立派だった。そしてぶつからずに歩くことを考えなければばらないほどの人の多さ・・・地方の医者には都会は眩しすぎたようだ。東京で女子大生生活をエンジョイしたことがあるなんて自分でも信じられないくらい田舎者に成り果ててしまった。

さて、久しぶりにパソコンを触ったが、相変わらず気の重くなる医療事件が多い。ある精神病患者が点滴を受けるために拘束され、エコノミー症候群で死亡し、慰謝料6000万を求めて遺族が訴訟したとか、血栓除去の血管カテーテル操作中に心臓を刺して死亡した患者の担当医たちが書類送検されたなど・・・。拘束が必要なのはどのような状態なのか、また暴れる患者を扱ったことがあるならわかるだろうに。(拘束だけでエコノミー症候群になるかというのも大いなる疑問)カテの事件では、当然危険性は話してあっただろうし、処置しなければ肺梗塞などの危険性が高いこともわかっていたことだろう。
でも何故、警察が関与し、過失致死にされるのだろうか?そもそも警察が取り調べる類のものだろうか?東京女子医大のカルテ改ざんは犯罪行為なので警察の関与も納得だが、全ての医療行為に大して刑事責任を問われるのならば、少しでも危険な処置はしないほうがよいと思う医者が増えるばかりになるだろう。先進国で医療事故に警察が関わるのは日本くらいだとどこかで読んだ気がするが、医療を取り巻く環境がこのまま悪化するなら、本当にやってられない!きっと大部分の勤務医が感じているはずなのに、医者の(勤務医の)意見はどこにも反映されない。仕事に忙殺されてそのようなアジを立てる余裕がないのが実情なのだろう。無力な自分が歯がゆくてたまらない。