新入医局員〜ZEROの時代〜

例年、この時期には所属大学医局主催の新入医局員の歓迎会がある。しかーし、新制度の発足により今年は新入医師の入局は予想通りゼロであった。歓迎会は当然中止、予定していたホテルの会場もキャンセル。
人が足りないから、人事でも派遣先を今年もまた縮小し、どんどん小さくなっていく医局。古くからのドクターたちは次々と開業していくし、自分より若い医者達も何人も開業して行った。「開業」に踏み切る勇気と決断がない私のようなものが、ずるずると愚痴をこぼしつつ勤務医を勤め上げていくのだろうな。

夫か私のどちらかが決断すればいいのに、お互いに経営やら借金を作ることを恐れて動こうとしない。(どちらも医療とは無関係の生い立ち、ゆえに開業するとなると土地建物から探さなくてはいけない。当然借金も必要であろう。)

夢と理想を持って医者になったはずなのに、今の私は我ながら哀れだ。もっと勉強したい気持ちがあっても雑用が多くて時間が足りないこと、病院でしか見られないような疾患と関わっていきたいと思いつつも、それは所詮自己満足にすぎないという冷めた気持ち、学会参加で高揚した気分はもう現実に直面して急速に縮んできている。