ちょっとひどすぎる。

先週、とても嫌なことがあった。例の医局に顔を出さない変人医師の対処でだ。職員はもちろん、患者の評判もがた落ちの某医師だが、妙なことでとばっちりを受けてしまった。

実は先々週、気管支肺炎で入院していた高齢の女性が治癒して退院。その3日後の夜間にDOA(Dead On Arrivalra、来院時心肺停止状態)で搬送された。その日の当直は問題の、医局と病棟に顔を出さない変人医師であっった。搬送時に彼から私に電話で問い合わせがあり、私もびっくりしたが、気管支炎はもともと軽度で治癒して退院したのだと説明、彼もこちらで適当に処理しますと答えてくれたのでお任せしたのが大間違いだった。
翌日、某医師にお礼を言うためにその患者のカルテを取り寄せたら、死亡主因に「敗血症」と書いてあり、その原因には「気管支炎」と書かれているではないか!患者家族によれば意識レベルの低下がみられ様子をみていたが元気がなくなり搬送にいたったらしいので、頭か心臓疾患によるサドンデスだと判断するのが常識的な医師だと思うのだが。
治癒を採血・画像で確認し、熱もなく意識レベルが下がるまで元気だったという患者のどこをとって敗血症と書くのだろう?

頭にきてお礼を言う気は失せてしまい、どなりこもうかと思ったが踏みとどまって文句は言わず、1両日、自分の中で「これは抗議してよいことか」検討していた。その患者の家族は、診断名をみてどう思っただろう?
これだけ見れば、治っていないのに退院させて死亡させてしまったと文句を言われても仕方ないことだ。幸い家族はさしたる疑問も抱かなかったらしいが、今後もこのようなことがあっては大問題なので、熟考の上、院長には経過を報告しておいた。某ドクターにも直接一言言おうかと今考えている。(がきっと我慢するだろう)昔なら、カルテをみた時点で大騒ぎしてズケズケ文句を言っていたものだ。自分の中で問題を熟成させ、直接抗議も控えることができている現状は成長したといえるのか、事なかれ主義に染まりつつあるのか。

この診断書が日本人の死亡統計に利用されるのだ。このような明らかな原因の間違いは少なくないだろう。自分でもどう考えても死因がはっきりしない診断書を書くことはあるので、死亡原因の統計がどこまで信憑性があるのか少々疑問はある。