デモクラシー

先日大阪の学会の際に「デモクラシー」というお芝居を観てきた。
東西ドイツ統一に尽力し、後年、ノーベル平和賞を受賞した西ドイツ首相ブラント。彼を長年に渡って支え続けた個人秘書が東側のスパイだったという衝撃的な史実をもとにしたストレートプレイだ。登場するのはスーツ姿の男性10人のみ。人物もドイツ名前で覚えにくく、扱う題材も社会背景を知らないと理解しにくいという噂を聞いていたので、当時のドイツの状況をネットで調べ、登場人物の名前と役職を頭に叩き込んで準備した。劇団四季から出発した日本を代表する舞台俳優市村正親さんとあらゆるジャンルで主役をはれる俳優に成長した加賀丈史さんの20数年ぶりの競演も話題になっていた。
ブラント首相はナチで命を無くした方たちの慰霊碑の前で膝まづいて祈りをささげた姿がドイツの贖罪のシンボルになったことで有名だ。お芝居そのものは加賀さんがすっかり貫禄のある一流の俳優であることを確認させられた。難しい内容だったが、ドイツの戦後を背景を垣間見ることができて有意義なものだった。

今(何故、今なのか?不思議だが)日本の戦争責任を問われているので、同じような侵略戦争を起こしたドイツの戦後処理はお手本の一つになるかもしれない。でも日本に限らず戦後史は学校で習った覚えはない。だいたい近代史まで進む時間が日本の教育では欠如しているのだ。
韓国や中国では近代史が非常に細かく詳しく(おまけに、かなり都合よく歪曲して)学ばされるらしい。日中戦争も日本の教科書では1ページにも満たないが、中国では100ページに渡って、日本がどんなに残酷であるかをこれでもかとばかりに書いてあるようだ。中国では古代史〜は教えると現政権に不都合なところもありあまり教えていないそうだ。画一的教育が暴徒を生み出したのだと理解してあげたいが、国際社会としてはやはり許せない行為だ。もうオリンピックも無理なのではないか??

日本の侵した罪は私達が甘んじて受けなくてはいけないと思うし、そのためにも、もう一度近代史を客観的に学ぶ必要があると思う。図書館で戦後処理の本を探し、何冊か借りてきたが、どうも出版されている本の多くが左系?というか、自虐論をかかげる著者が多くて、何を真実として学べばよいのか・・・ここで私の歴史の勉強は立ち止まってしまった。