ときめき。

【午前の部】
ある疾患の患者さんを1年間診てきた。以前から専門医の診察加療が適当と思い、何度も転院を勧めていたが、今のまま私に診てもらいたいという患者さん(50代、女性)の希望もあり、紹介時期を逸してきた。でもどこの病院でも年度切り替えが落ち着き、学会シーズンも一段落したこの時期が治療を変えるよい機会であると患者を説得した。このまま診て欲しいと渋っていた患者さんであるが、私が勧めるドクターのところなら行くと決心された。患者に[エコヒイキ]をする主義ではないけど、この患者さんとは1年間こまめに付き合ってきたので、家族のような親密な気持ちを感じている。


通常なら地理的に近い、ある程度以上の規模の病院を紹介するが、あいにくいつも紹介している病院の専門医は、個人的には煙たい存在だ。距離を考えずに紹介するとなると・・・その道の専門医として、ともに働いたことがある数人の医師の顔が浮かぶ。お勧めはA医師とB医師。A医師は抜群の腕を持ち、常に新しい知識を得ることに貪欲、超人的な体力と精神力を持っている。ただしプライドも高く、ご機嫌をそこねると恐い。B医師はそこそこの臨床の力があるが、特筆すべきは患者に物凄く優しいこと。今まで見てきた多数の医師の中でも、信じられないくらい、いかなる時でも穏やかで優しい。


単純に医学的な腕をとるか、人柄を加味した総合的な力をとるか。難しい選択だけど・・・B医師に紹介することにしよう。


【午後の部】
先ほどB医師に電話連絡をした。ず〜とお会いしていないので、話すのは4年ぶりだ。とても尊敬している先生なので、電話口でドキドキしてしまった。(最近は図太いのでこんな乙女チックな気持ちは珍しい)相変わらず、暖かな声、包み込むような話し振り。やっぱりB先生は素晴らしいと再確認した。もう一度B先生と仕事をしたいな。(男女の関係は全くない、念のため。そもそもあちらが私を相手にしないだろう。)