自分の処方を勝手に変えられるとき。

A先生、私の外来患者の投薬を勝手に変えないで下さい!いつも私が見ていて、たま〜にA先生の外来に患者が行くと投薬を帰られることが少なくない。患者も戸惑うが、医者の決めたことだからとおとなしく変更に応じる。そして次の私の診察で変更の疑問を投げかけられるのだ。

投薬がおかしいなと思っても、他の医者の投薬に口を挟むことは遠慮する。よほどおかしな場合は電話で相談する形をとる。カルテに意見を含んだ言葉を残すのも遠慮している。もし間違っている処置があったとしても、緊急性であったり命に関わることでなければ、「相手の医者に言ったほうがいいんだろうな、でもプライドを傷つけそうだな」と逡巡するのが、普通の臨床医の姿だと思うが。

おかしいと思ってもすぐに口にできない慣習は医者の世界の閉鎖性で、変えなくてはいけない点だろうが、何の相談もなく、主治医の治療を変更しないで欲しい。他の病院の医者にも聞いてみたが、間違った投薬でなかったはず。こういうことがあると、とても気分が悪い。

でも・・・情けないが、A先生のやり方を面と向かってなじることはできない。人間関係が損なわれることを恐れるからだ。我慢して付き合うしかないんだろうな。