遺産は罪?

貴乃花部屋の騒動を見ていると、「児孫(じそん)のために美田を買わず」ということわざが至言だと思えてくる。何が真実でどれが嘘なのかわからないが、客観的に見て沈黙は金、言いたくても我慢することが他人の印象をよくするように感じる。


遺産騒動をみると母の実家の騒動を思い出す。
母の実家もかなりの資産家だが、母の両親が亡くなった時に長兄が「財産放棄確約」の書類を作って兄弟の間を回った時の騒動が記憶に残っている。人のよい母の兄弟達はそれぞれ裕福ではないにしても、日々つつましい生活を送っていたこともあり、素直に放棄に応じた。母一人がたてついたものだった。母の言い分は自分はいいので他の婿養子に入った兄弟には何かして欲しいということだったが、長兄夫妻には母が強欲だとうつったらしい。母が引き下がる形で早々に納まったが、その後も実家の長兄夫妻の嫌がらせや悪意ある作り話に悩まされてきた。なんと私の大学教育費も長兄が出したと触れ回っていたらしい。父を亡くしてからは母の腕1本とあちこちの奨学金で卒業したのが真実なのに。


その実家が現在どうなったかというと、家を継いだ次女の婿が多額の借金をつくり相続した土地をかなり売却したらしい。少なく見積もっても3億は超えるという話だ。(いったいいくらの資産があったことか・・)長兄は病死し、兄嫁は精神病を患っている。母は「因果は巡るものだ、人を泣かせたら自分も泣くはめになるんだ」と言っている。


なににせよ、お金は人を狂わせる。親からの遺産が望めないことは少々悲しいけど禍根をのこすことのない状況はよかったのかも知れない。