実刑判決は是か?

患者放置の医師に禁固1年 薬剤間違え注射で京都地裁

宇治川病院で2001年、11歳の患者の蕁麻疹の治療中に薬剤を間違えて注射され、寝たきり状態になった事件で、業務上過失傷害の罪に問われた医師(72)に対し京都地裁は13日、禁固1年の判決を言い渡した。
 氷室真裁判長は判決理由で「被告のあいまいな指示が薬剤の取り違えを誘発した面も否定できない」と指摘。「適切な救急蘇生(そせい)措置をせず無為に時間を浪費し、医師として基本的な注意義務を怠った」と述べた。

↑↑↑について、掲示板(例のm3.com)での医者の意見より抜粋。

1)昨今の医療裁判でおかしいものは多いが、この件の場合医療機関の責任であることはその通り。老人医師の多くが昨今求められている医療水準に全く到達していないという問題もその通り。しかしこの判決の問題は全く別のものだよ。先進国で医療行為に刑事責任を負わせる国はない。応召義務を負わした上で、それは絶対ありえないはずであるにもかかわらず。しかも今回の判決は初犯なのに実刑だよ。

2)この事件では患者側には何の落ち度もないから非常に気の毒。しかし民事事件ならわかるのですが刑事事件の判決としては何とも腑に落ちない点があります。
 「適切な救急蘇生措置をせず無為に時間を浪費し、医師として基本的な注意義務を怠った」ということが業務上過失傷害に問われるようなものなのでしょうか。 この罪は意図的に何かをした場合に問われるものではなかったでえしょうか。この医師が意図的にしたことと言えば塩化カルシウムの注射の指示だけですから(適応はともかく塩化カルシウムの静注用製剤はありますし)医師に関しては民事で争われるものと思っていました。

3)「蘇生措置をしないまま放置」とか「無為に時間を浪費」とか,裁判官もマスコミも,ご老人相手にずいぶんとえらそうですな.
72才の医師と64才の準看護師と,そろって禁固刑ですか.
悪意や不正の有無にかかわらず,無能であるということだけでかかる罰に相当する職業もなかなかないでしょうね.
少なくとも裁判官やマスコミは,無能であっても掲示板でこきおろされる程度のもので,禁固刑に問われたりするようなことはない,まぁそのていどの職業なわけですが .



★ミスは明らかだが実刑を科するのはどうだろう?塩カルを使うなど古い医学知識で医療を行っていたのも問題だが。でも今の日本の医療ではお爺ちゃん先生も貴重な戦力なんだけど。