時給1000円は多いか少ないか

2006/02/16 (木)

愚痴のオンパレードになってしまった。↓

当直をしながら考えた。いったい時給いくらなんだろうって。
大部分の病院は当直は固定給で、忙しくても暇でも当直料は変わらない。だから暇だと得した気になる。これまで勤務した10病院のうち、1病院だけが当直料のほかに時間外が出て、確か細かく時間外外来と入院患者に要した時間を申告し、30分ごとに数百円付いたはずだ。これは極めて例外的。今の病院の当直の時間外は1時間1000円足らずだった。いいのか悪いのか。給料が上がってもその分税金にもっていかれるので、給料アップにはあまり興味はない。むしろ自由になる時間が欲しい。

ある程度の生活を維持する給料は必要だけど、大部分の勤務医はそんなに高額な給料を求めているわけではないと思う。働き甲斐のある職場環境、つまらない雑用が少ないこと、できれば過度にならない勤務にさせてもらえば金額の多寡は二の次だ。さらに贅沢を言えば当直の翌日はせめて半日で帰りたい。

↑のような望みは贅沢だと思ってしまうのは、いわゆる医者の奴隷根性かもしれない。滅私奉公、自分の生活を犠牲にして医療に従事するのは医者の良心と思っていたが、時代が変わったのだ。私たちの世代から意識を変えてまっとうな職場環境を確保する努力が必要なのだと思う。今後の医者たちのためにも。

僻地医療でお金を積めば医者が来るという意見があるが、お金につられてくる医者は押して知るべしではないだろうか?お金ではない、働き甲斐のある環境が魅力なのだということを僻地医療勧誘の関係者は分かってくれていないようだ。

数日前に原発の企業寄付金を大学病院にまわして(簡単に言えば)医師派遣を優遇してもらうという某市の見解が報道されたが、恐ろしく時代錯誤だ。寄付予定を報道された大学担当者も「直接話を聞いていないが、もしそうなったとしても、寄付が医師派遣に影響しない」と言い切っていた。当然でしょう、某市は別の問題でも医者の掲示板で叩かれ、あきれられているが、為政者がこのザマなら某市に行きたい医者はますます減るだろうと思う。

僻地いや地方医療に直接関わってきた医者の意見を聞けば打開策があるのではないかと思うが、臨床で働く第一線の医者には発言権はない。ま、発言する時間的・肉体的余裕もないけど。などと考えながら、今日一日の仕事を淡々とこなして私の時間は過ぎていく。