ささやかなる抗議行動。

■2006/05/18 (木)

16日火曜日に、フジテレビで「患者力で命を守れ！最低最悪病院にだまされないぞ」という特番があった。数人のタレントと医者を集めて、ひどい医者と病院をつるし上げる番組だ。タレントの面々もゲストドクターも同じような顔ぶれ。きっと見れば腹が立つと思いながら見てしまった。・・・過去にもとんでもない特番があったが、中でも最悪の部類の番組だった。あまりにひどくて途中でテレビを消した。

後でいくつかの掲示板やｍ３を読んでみたが、皆同じように憤慨していた。ゲストの中でに正論を述べた先生もいらしたらしいが、同じゲストの（いつもおなじみの）Ｎ先生はじめ出演者から袋叩きだったという意見もあった。まともに臨床しているドクターが、この番組でモチベーションを下げられたのは間違いないだろう。

ネットでこの番組のスポンサー不買運動が広がっているのを知った。Ｏ製薬が番組のスポンサーだったいうのだ。番組に意見しても効果はないだろうから、スポンサーに抗議するという搦め手から攻めてはどうかというのだ。スポンサーに番組の影響で売り上げが下がったことをわかってもらえば、少なくとも他の医薬品関係のメーカーにも、提供番組にある程度の良識をもってもらえるだろうというのを期待して。

Ｏ製薬個人には何の恨みもないが、スポンサーになったからには番組内容に責任をもってもらわなくてはいけないだろう。

無力な一般臨床医師ではあるが、これ位のことならできそうだ。もしＯ製薬の薬を変更しても通常は代替品はあるので、患者さんには迷惑はかからないし。これってガンジーの「無抵抗主義」に通じるものがあるような気もするなあと、早速患者の投薬内容を点検。

結構Ｏ製薬の製品は多い。特に点滴関係！申し訳ないが可能な限り、他社の点滴に変更、外来患者の投薬も順次変更していくつもりだ。

このやり方について反論はあるだろうが、下々の医者には「間違った報道」に対する抗議手段がないのである。患者さんには極力迷惑はかけないようにするのでお許しあれ。