重い読書。

2006/05/21 (日)

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か

小松先生の医療崩壊、すごい本だ。青戸事件の頃からの状況が医療・警察・司法そしてメディアの各方面から理論付けされて書かれている。各分野での齟齬はどうしておこったのかが少しわかってきた。重い内容の本なので、ポストイットを片手に、気になった表現や心に響く言葉、しっておかねばならない医療以外の分野の専門知識などにぺたぺた張っていたら、同僚の先生から「付箋だらけだ」と笑われた。まだ50ページくらいしか進んでいないのに、何十枚もの付箋で賑やかになってしまった。

戦後教育で失われたもの (新潮新書)

戦後教育で失われたもの (新潮新書)

平行して読んでいる「戦後教育で失われたもの」。これも難解な内容だが、「結果の平等」は見果てぬ夢、優秀な学生を優遇するのは誤りであるとしてきた戦後教育。オチコボレをつくらないことを教育の基本に置いてきたが故に、優秀な生徒の力をブロックする方向に進んできている気がする。ゆとり教育などは最大の教育行政の失敗だと思う。このつけがこれからの日本を蝕んでいきそうだ。

飛び級が認められていない日本であるが、お隣の韓国では2年の飛び級を認めている。テレビで、韓国であまりにも優秀な児童が3ヶ月単位で小学校・中学校・高校課程を修了し、8歳で大学に入ったと報道されていた。韓国はノーベル賞受賞者を渇望しているからよけいに人材発掘に力を入れているのだろうか。三角形の内角の輪が180度と父親が教えたところ、この少年がどうしても180度になることに納得しなかったことが、少年の能力を発見するきっかけだったという。優秀な子であれば普通は何の疑問もなく180度と思ってしまうけど、彼は「球面に三角形を置いて」考えたそうだ。恐るべし。