一言でいうと、行政のトップはわかっていない。

natsuki8212006-05-20

■2006/05/20 (土) フジテレビの批判をしたのに、今日のダビンチのスペシャル番組には見入ってしまった。原作は長くて途中から飛ばし読みしたので、さしたる感動はなかったが、こうしてポイントを解説つきで映像でみて、ようやく原作の内容が理解できた。(フジテレビ、いい番組もつくっている)キリスト教信者には受け入れがたい内容かもしれないが、ダビンチの謎が本当のことならば、靖国云々とは比べものにならない大問題だけど、非キリスト教なので高みの見物。

ダビンチ特集をずるずるみていたが、NHK教育テレビで瀬棚町の医療問題の報道があるのを思い出してあわててチャンネルを変えた。M医師が辞意を決めたところからだった。
財政の問題があるだろうが、「地域医療は大学病院では学べない、地域医療に取り組む医師を地域で育てていかなくてはいけない」とこの地域に7年間力を尽くしてきたM医師の言葉の重さを、町長は全くわかっていなかった。M医師の言動を政治的な動きだと決め付けた態度にM医師は空しさを感じたのだろう。
住民と町との話し合いで、住民から住民の財政を削ることばかり考えるのではなくて、医療をどうしたら維持できるかその方法を模索するべきだ、そのために住民の負担が増えるのも仕方ないという声があるのに、それでも町長は「診察室が2個だから、今の2人+研修医(それも5年目なのでひとり立ちできる)体制は多い、2人でいい」とのたまわった。診察室以外の医者の仕事、検査や往診、入院患者のケアなどあるのがわからないほどバカなのか?
瀬棚では2人の医師と一人の研修医(5年目)が勤務していたが、研修医は年季が終了するとともに後続者はもとめず人員カット、中心になっていたM医師とM医師を慕ってやってきたもう一人の医師もそろって辞表をだしたが、医師ゼロとなるため、もう一人の医師は辞表を半年延期し、町の対応をみて態度を決めることとしたそうだ。でもあの町長だったら瀬棚の診療所は半年後には閉鎖になることだろう。

M医師や暫定的に残っている医師がどんなに得がたい人材であったか、よい医師を得るのがどれほど大変なことか、町長は全くわかっていない。金のわらじをはいてでも探さねばならないのに、今でも医者の代わりはたくさんいるというのが行政のトップの考えなのだろうか?あんなに真剣に地域医療に取り組む医者はそうそういないし、この流れが変わらないなら、M医師のような考えをもつ医者は益々減るだろう。

崇高な精神を年々失いつつある疲れた地方勤務医は上のように感じたのであった。こんなはずではなかったのに、と毎日重い気持ちが溜まっていく。