ジェネリック品という欺瞞。(一部製品を除いて)

■2007/02/20 (火) 今日もテレビでは、同じ内容、同じ効果で安いジェネリック・・とCMは歌う。本当に同じか?基本構造は同じでも薬そのものは同じでないでしょ、とつっこむ。さらにCMの最後に「何よりも患者様のために」と結ぶところで、嘘でしょ、何よりも○○製薬のために!でしょと突っ込むのが日常になってしまった。
中にはいいものもあるかもしれない。このようなCMを出す製薬会社はそれなりに信頼できるだろう。最近はジェネリックを扱う数社のMRが顔を出し、簡単なパンフレットを置いていくこともある。でも、こうやって頑張るジェネ会社の後ろには、弱小会社がひしめいている。全く顔の見えない会社、突然作らなくなる会社、ましてや副作用が起こったときには誰が、どのように原因を突き止め責任をとるのだろう?

一般に安いものはそれなりの理由があるはずだ。私たちがブランド志向になるのも、ブランドへの信頼感があるからだ。私は自分や家族には、製薬年数が長く、自分で使ってみて効果があり、さしあたっての副作用がないことを確認した後発品以外は使いたくない。

何よりも患者さんのためにというCMの横で、自分たちのためにでしょ!と吼える私を、いつもあきれてみていた夫も、昨日のジェネリック関連のヤフーニュースを読んで腹が立ったらしく、政府の失策だ、そのうちきっとトンでもない事象がおこるぞ、と私以上に怒っていた。

外国ではジェネリックが主流ということを、そのまま日本に当てはめて、医療費削減を達成しようとする厚労省の国民への刷り込みの欺瞞。ジェネを希望する患者がくるたびに、ジェネの信頼度・安全度を説明し、さらに先発品を使ってもなんら収益につながらないことを理解していただかなくてはならないので、本当に診療に迷惑だ。私の外来では、仮に10人のジェネ希望で、十分に説明を聞いて、それでもジェネでという人は1人、つまり10%程度であるので、平均的なのだろう。

勤務先ではすでに数年前からいくつかの、さしさわりのない分野のジェネは入っている。問題は血圧や血液、抗がん剤免疫抑制剤、抗生剤・・・など、健康に特に重要な分野の薬についてだ。ちなみに私の外来ではスタチン系のジェネがちらほら出ている。今のところ1社の製品は、副作用なくこれまでの先発と効果も同等だったが、もう1社は全く効果がなかった。ジェネ希望の患者が増えれば、慎重に血液検査をするので、病院の収益増になるかも。ああ、でも説明の労を考えると御免被りたくなる。

参考にさせていただきました。
internalmedicine 先生のサイトhttp://intmed.exblog.jp/4273763