なんとかしてよ、白い巨塔。

木曜日の白い巨塔、第2部、第一話。
なんど、突っ込みを入れただろう。
何度、もう消そうかと思っただろう。
でもしっかり最後まで見てしまった。
それでよけいに腹立たしくなった。
ただですらやりきれないことが多いのに、
このドラマは医療環境をもっと悪くしそうな気がする。

案の定、BBSでは財前教授への批判、里見先生への賛美が相次いだ。
医者の目から見て肺への転移の件は、あの症例に限れば
各医師により見解が異なるところで明らかな誤診とは思えないけど。
里見先生も非常識。大切な国際学会にもメールで追いかけるとは。
一人の患者をそれほど大切にしている里見、を強調したいのかもしれないが
残念ながら患者が多くて一人にかける時間は限られてしまう。
自分の時間も全て犠牲にして患者に捧げることを医者に望むのだろうか。
またあれほど悠長な時間は私達にはないのである。

お見送り問題でも疑問が・・。
医者が最後を看取って、病院から患者が離れるの姿を
スタッフ、主治医が見届けるのをお見送りというが、
これは医者の責任であり、患者への礼儀だと思ってきた。
でも番組ではお見送りするのは医療ミスの疑い、
と扇動しているよう感じた(院長が送ることもありえること)。
死亡宣告からお見送りまでの時間ははっきり言って苦痛だ。
ただ待っているだけ。
昼夜を問わず、時には数時間も待たされることもある。
いっそのことお見送りの慣習を壊してしまえば負担はへるので歓迎だが、
医者の良心としてやはりこれからもお見送りは続けるだろう。
でもこちらの気持ちを患者の家族はわかってくれているだろうか。
所詮自己満足なのかもしれないが、あらぬ疑いをもたれてはかなわない。

原作は名作だが、30年の時間経過で医療は大きく変貌しつつある。
無理に現代にあてはめたことが間違いだったように思え、
あまりに実情と違う面を見せられるたびに思う。
医者の監修はされているのだろうか?
脚本家はきちんと現場取材をしたのだろうか?

最後にもう一つ、アウシュビッツを持ち出す必要は
どこにあったんだろう?これからの展開でそれがわかるだろうか?

文句を言いつつも来週もみてしまいそうだ・・・。