離島へのお誘い。

朝、上司が「こんな封筒がきた!」と1通の手紙を見せてくれた。
差出人は長崎の医師派遣団体。
長崎の離島への医師の派遣のお誘いであった。
なんでも半年は離島に勤務、
半年は希望する病院に勤務、
のローテーションらしい。
年収は1200万円位。

50代の上司は「こんな手紙が来るなんて」と苦笑いしていた。
長崎なんてここからすごい遠方である。
どこで上司の名を見つけてきたのだろう。
同じ病院に長崎の出身のドクターがいるので
彼が私を紹介したのか???と上司はいぶかっていた。

離島勤務で1200万円。
高いとみるか、安いとみるか?
好待遇ではないことは間違いない。
上司はきっとこれ以上もらっているのだろうから。

噂に聞くところでは(他の同僚の医師の話)
彼の知っている僻地の診療所の医師の年収は4000万だという。
これだけもらえるのなら、考えないでもない。
もちろんお金が全てではないけれど、
大きなファクターである。

でも離島で一人診療で負う事になる責任を考えると
なかなか行く人いないのではないかな。
そしてこのような僻地こそ、悪の根源とされる
医局制度の恩恵があるともいえる。
つまり、医局で僻地に人を派遣する義務があるなら
医局の人事で人を回せるし、派遣される医者も自分は何年(何ヶ月)、
次は別の医者が交代してくれると安心して勤務できるのである。
医局がなかったら、好んで僻地に行く人を見つけるのは難しいであろう。

もちろん上司が離島へのお誘いを、
即座にゴミ箱に捨てたことはいうまでもない。