おれおれ詐欺の進化

こんなにおれおれ詐欺の実態・手口がわかってきているのに
まだ被害は後を絶たない。
自分だけは絶対に詐欺にあわないと思っているが、
とっさになるとあせってしまい、正常な判断ができなくなるのだろうか。
ある医師が注射ミスをしたという詐欺にひっかかったようだ。

医療ミス装い600万円詐取
 12日午後9時ごろ、埼玉県蕨市の男性医師(64)が、都内の大学院に通う医学生の息子を装った男に医療ミスの見舞金名目で600万円だまし取られたと蕨署に届けた。同署はおれおれ詐欺とみて調べている。
 調べでは、同日午後2時40分ごろ、医師の自宅に、息子を名乗る男から「6歳の女の子に間違って注射して死なせてしまった」と見舞金を要求する電話があり、医師は300万円を振り込んだ。その後、男は再び振り込みを要求。医師はさらに300万円を振り込んだという。
 医師は息子と連絡を取りだまされたことに気付いたが、既に全額引き出されていた。

医療ミス報道・医療機関叩きがますます進んでいるなかでの
隙をついた詐欺といえるかもしれない。
ウイルスが薬の耐性を確保するためにどんどん遺伝子構造
を変えていくように、おれおれ詐欺も進化?している。

それにしても、検査中の事故訴訟で敗訴したり、
挿管失敗で訴えられたりする事件を見ていると
確かにミスはミスだが、避けられないミスや
やむを得ないミスも混同されて非難されているような気がしてならない。
検査にも積極的な治療にもしり込みせざるを得ないようで
状況はますます悪化しているようだ。

(かくいう自分もかつていろいろ専門外の検査もし、
専門外の治療も専門医に聞きながらしていた時期もあるが
今は、全く保守的になってしまった。私の研修時代は
まだ医者への敬意が感じられ、医療バッシングもなかったから
今から思うと大胆なことをさせてもらってきたが、
これから医者になる人は研修も困難になってくるのではないだろうか?)