科学の力ってすごい。

まだPCRが日本ではほとんど知られていなかったころ、
私はアメリカ帰りの超優秀なドクターから、
遺伝子検索の手ほどきを受けた。
アメリカでも最先端の技術を身につけたドクターから
PCRを用いた遺伝子研究を学位習得のテーマにするよう指導されたのだ。)
この時はサザン・ウエスタンはそこそこされていたが、
学会でもPCRを用いた発表は少々関心を集めた時代であった。
こんな微量のサンプルに、膨大な情報が詰め込まれているのか、
これからどのようにこの手技が活用されていくのだろうと
無限の可能性に感激したものだった。
今では私ごときのしていたことは、検査会社レベルで
容易に使える手技となってしまっていて、
遺伝子研究の進歩のすさまじさを実感している。
今の遺伝子解析は複雑すぎて私にはちんぷんかんぷんで
全く理解できなくなってしまっている。
(飲み込み悪い私をめげずに指導してくれた優秀ドクターは
今でも止まることなく日本の最先端を走り続けています。
そのドクターのすごさと変人さについても書いてみたいのですが
生涯の師匠と崇めているのでなかなか書けないのです。)

↓の捜査に感激して、自分のリサーチを回顧してしまった。
昔語りが多いのは年のせいとご勘弁をば。

さて、最近は捜査でもおなじみになった遺伝子鑑定であるが
やはりその鑑定力は、日本の優秀な頭脳を集めて作られた
日本が誇る巨大科学検索機関である、科学警察研究所
日本のトップだろうと思っていた。

しかし北朝鮮から渡されためぐみさんの骨とされた
遺骨の鑑定結果は意外なところか明らかになった。
科警研ですらDNA解析は困難だと発表され、
やはり鑑定すらできないほど破壊された状態だったのかと
多くの人が漠然と感じていただろうに、
もう一箇所で鑑定をしていた帝京大で、
「めぐみさんと別人の2人のDNAが検出された」ことが
明らかになったそうだ。

帝京大ってそんなに凄いレベルだったの?
根気強く検査をすすめた研究者達に拍手喝采を送りたい。

それにしても堂々とこんな悪意のある裏技を使う北朝鮮
言葉を失うほど腹立たしい。
そしてこういう形で医学的鑑定が役に立ったこと、
北朝鮮のごまかしを見事に破った日本の科学捜査力の
素晴らしさがとても誇らしい。

それにしても、最近の小泉首相の発言には
人間的な温かみが感じられないのですが。
だんだんと小泉サンに失望している・・。