在宅介護の重い現実。ひょっとして私って潤い不足?

15年以上前から寝たきりの女性患者。手足は変形し枯れ枝のようになっているが、意識はしっかりしている。まだ60代なのに、何故このような状態になったのか。変性が完成してしまった今となっては知る由もない。


介護をしているのは70代の夫。幸い高血圧症だけでお元気なので寝たきりの妻のオムツ換え、食事の用意、体位変換・・・・その他家事一般を男手ひとつで賄っている。子供はいるが遠方におり、父親が元気なので全く母親の介護を任せっぱなしだ。


ただでさえ介護は大変なのだが、最近は昼夜逆転が甚だしい。夜中に大声で叫んだり、歌ったりされるので、夫の生活のリズムも狂ってきている。かねてから、よくめんどうをみてあげていると感心している夫であるが、今日診察に行った時に、ポツリともらした。「ねえ、先生。普通の人が妻を殺めると刑務所行きだけど、私が妻の首を絞めても「介護の疲れ」ということで罪は軽くなるんじゃないか?許されるんじゃないかと思うんだ。ショートスティ(月1回可能)の1週間が終わり、明日帰ってくると思うと辛いんだ。」・・・・温厚な夫もやはり悩んでいるのだ。なんとかしてあげたいが、今の私にできることは、介護者の悩みを静かに聞いてあげることくらいしかできない。
(補足 夫はちょっと愚痴をこぼしただけで、言葉通りのことを実行することは決してないだろう。そんな人柄ではないことはこちらも納得している。)


介護者に暴行したり、暴言を吐く患者も少なくない。介護の現実は上っ面の報道だけでは表せないほど、過酷だ。

■2005/05/25 (水) 潤い不足。

介護の問題を考えると気が滅入る。夕食を手早く処理して、気分転換にフィットネスクラブへ出かけた。午後8時を過ぎているのに客は多く、駐車場を探すのに手間取った。以前のフィットネスではジムトレーニングを一人で黙々と行っていたが、新しいクラブに移ってからは、スタジオレッスンが中心になっている。とりわけ最近はバーベル挙げのレッスンプログラムがお気に入り。

今日もバーベルを挙げにきたのだけど、なぜか妙に女性が多い。(普通、男性の方が多いプログラムなのに?)後で理由がわかった。インストラクターがイケメンという評判だかららしい。

長身で、引き締まった体、爽やかな口調・・なるほど人気があるのも納得。かっこいいと言われる男性を、私情を交えず客観的に見れるようになったのは、恋愛から遠ざかっているからなのかと少々寂しい。誰かに「ときめく」事もないし、特別好きな俳優もいないし、実生活でも夫は空気と化している。潤いが足りない!!このままでは枯れた女になってしまいそうだ。