下僕のように・・。

■2005/06/30 (木)

同僚の女医さんが、終了時間ぎりぎりに飛び込んできた患者さんに、「お仕事されていないんでしたら、次はもう少し早めに来て下さいね」と言ったら、逆切れされたと嘆いていた。70代の患者は無職をけなされたと思ったらしい。てきぱきした女医さんの言葉がお年寄りには強く響いたのだろうか。

ささいな言葉、全く悪気のない言葉でも、患者を傷つけることもあるので、医療スタッフは細心の注意で言葉を発せねばならない。
最近の私のモットーは「下僕のように患者にお仕えする」<ふり>をすることだ。覚悟を決めて自分のプライドをコントロールできるようになったので、患者から理不尽なことで怒鳴られても受け入れられるようになった。

個人的には、ここ数年の医学的な技術の進歩はないが(寂しい・・)、接遇については結構向上したと自負している。上から見るのではなく、対等〜やや下から見上げる態度で、なおかつ診察に入る前に、(心でどう思っていても)まず患者さんに「大変でしたね」と一声かけると、非常にスムーズな関係が形成されるようだ。円滑な仕事ができるならば自分のプライドなどひっこめるべきだが。
しかし、しかし、しかし、医者がこのような卑屈な態度でよいのだろうか?こう思うのは、すでに医者の思い上がりなのだろうか。

悩みながらも卑屈な態度で診療を続けている。こうせねばならなくなってきた医療情勢が嘆かわしい。