移植。

生後5カ月で腸閉塞(へいそく)を起こして小腸と大腸を摘出し、肝臓など周囲の臓器機能も低下。昨年12月、生後10カ月で小腸、大腸、肝臓、胃、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)の同時移植手術を受け、元気に帰国。

もともと臓器移植には違和感を持っているが、患者にとっては命がけな事なので、健康な私が口を挟む権利はないかもしれない。本当の苦しみは当事者でないとわからないから・・。

でも日本人が多額の料金で外国で外国の方の臓器提供で移植を受けることは、同義的に納得できない。移植受け入れ国の移植患者はどう思うのだろうか?(湾岸戦争のときに非難されたことが頭をよぎる)

日本での移植が進んだほうがいいとも思うが、移植のコストとリスク、その後の経過を考えると国内で臓器移植が盛んになることにも疑問がある。一時的に桁違いの費用がかかり、なおかつ一生合併症と副作用の闘いになるだろうから。非情だが、人の命には限界があり、どこかであきらめる潔さも必要なのではないだろうか?
医者の言葉とは思えないとお叱りを受けるかもしれないが、医者だからこそ、原疾患の病態や移植に付随する諸問題(致死的な拒絶反応など)が想像できるので、これでいいのだろうか、と疑問に思うのだ。

それにしても過酷な移植手術を乗り越えた少年の生命力は凄い。健やかに成長してください。