患者交換。←嫌な響きだ。

不躾な言葉だが、他の病院に患者をお願いするときに、交換でそちらの患者を受け入れることが少なくない。

先日の不明熱の患者さんは、結局大学病院レベルの総合病院に転院になった。11日になって14日の転院が決まったのだが、奇妙なことに11日から解熱し、転院の日まで再燃はなかった。8日に抗生剤を変更したのだが、その効果としては遅すぎる反応だし、何より炎症反応と実際の熱のギャップが大きすぎる。熱もなく元気な状態で転院となった。さて、彼は今後どうなるのか。

患者さんの転院にあたって、同総合病院から別の患者の受け入れを頼まれた。82歳女性、悪性疾患だが緊急性はない。しかし退院もできず半年入院しているらしい。総合病院は常に満床で悪性疾患であっても、安定した患者さんは長期入院は困難なものだ。勤務先も前医で長い入院をしていた患者さんは平均在院日数が増えるので、経営上は好ましくないが、背に腹はかえれず、院長にも勤務先での受け入れを了承してもらった。

患者さんのキャッチボールのようだと思うが、日本の医療の実情だ。患者さんには申し訳ないが、日本はこんなシステムであると我慢していただくしかない。(このシステムもいつ破綻するか危ういけど)