元上司からの便り。

2005/12/18 (日)
先日、前勤務先の内科のトップが病院を辞めたことを書いた。今日、その先生から転勤の挨拶状が届いていた。隣の県の小さな市の某個人病院の院長になられたそうだ。ベッド数は150近くで多数の科を標榜しているので、その市では基幹病院の役割のようだ。


彼は非常に厳しい先生で、医者やナースの区別なく、しょっちゅうお小言を発していた。あまりに細かく言われるので、一緒に働いていた時は、ほかの医者やナースとその先生の悪口を言っていたものだ。でも離れてみると、厳しく言われたことが今になってとても役に立っていることに気づいている。厳しく指導してくれる医者の存在は貴重だったとも思う。あんなに言ってくれる先生は今の病院には皆無だし、おそらく他の病院でも、厳しい指導をするドクターはなかなかいないことだろう。


今の勤務先は誰も悪役になりたくないからだと思うが、間違ったことを見つけられても面と向かって言われることはない。逆に自分が他のドクターの治療や処方を「おかしい」と感じても心にしまっている。年功序列で自分より医師年数の多い人には言わないという医者の世界での悪習もあるが、若い先生にも言わない。一定の研修を終えた医者に一言言うのは困難なことだ。自分の印象を悪くしたくないからかなあと思うが、改めるべき点であることは間違いない。(でも改められそうにないのが本音)


自分の間違い(薬剤名の間違いなど医者以外にもわかるような誤りでなく、治療方針そのものの思い違いなど)を指摘されないから、自分で誤りがないか常に点検していかなければならないのだが、全てのことを再確認するには時間が足りない・・・。