崩れ行く医局制度?

■2005/12/19 (月)
忘年会シーズンである。忘年会などは最近は義理で嫌々参加するだけなので、結構苦痛になっている。精神的にもお財布的にも。(なんといっても医者は参加費がコメディカルと桁違い。福沢さんが何人消えることか)

忘年会といえば、若い医者が「お馬鹿な芸」をさせられるという悪しき習慣がどの病院でもみられたものだ。男性医師が女装して芸をしたり、裸踊りをしたり、女性であっても顔を覆いたくなるような仮装をさせられたり。。。。覚えているので最も過酷な芸は、お尻に花火をさして発火させるというものだった。生命の危険が高いあのような芸は二度として欲しくないし、見たくもない。最近は若い先生の間の意識も変わってきているのか、この悪習はなくなりつつある。私はさんざんあちこちの病院で恥をさらしてきたので、私が芸をせずに済む年代になるにつれ悪習がなくなるというのも少々悔しいけど。

さて、先日大学の所属医局の忘年会があった。医局員は毎年着実に増えて、大きな医局になってきているのに、年々忘年会の参加人数が減っているらしい。大学にいる先生達は当然出席するものと思っていたが、案外大学勤務の医者の欠席が多かったようだ。似たような常識を持っていると思われる同じ年代のドクター(大学勤務中)も「面倒だから出ない」と言っていたし、若手以外の医者の意識も変わってきているようだ。勤務先忘年会の日が重なることを言い訳にして、ここ数年参加していない私には何も言う権利はないが、新研修医制度になってから入局ゼロとなり、忘年会も寂しい会になっているのを聞くと、医局制度に翳りが出てきているのを切実に感じる。

医局の崩壊で考えるのは、地方で病院向けの人材派遣会社の役割を果たしていたのが医局制度なので、このシステムが崩れたら誰が僻地に赴任するのだろう?とうことだ。少なくとも私の周りは、医局の後ろ盾があり1〜2年で交代できる保障があったからこそ、僻地に勤務できたという意見ばかりだ。自ら進んで僻地に赴く奇特な医者は稀だろうと思う。まだ今は少数の殊勝な医者に支えられて存続の危機の一歩手前にある僻地の病院の将来は明るくない。

僻地と言っているが、実は都市部まで車で1時間そこその地域も僻地に含まれるような印象があるので(僻地=中心都市から少々離れた場所を含むとういう感じ)僻地医療というのは、実はもっと身近で切実な問題のはずなのだが。