勝手なマスコミ

■2006/03/10 (金)
昨日、食事中についていたテレビを眺めていたのだが、何なのこれは?勝手すぎるとムカつく報道があった。ワイドショー(ワイドスクランブルだったかな?)の中で、4月から医療費の改正があり、患者はもっと賢く病院を利用しようというコーナーでのこと。(病院を利用する・・・という言葉もなんだかな〜ですが)

カルテ開示は1500円でだれでもできるので、少しでも疑問な点があったら、カルテ開示を欲求していきましょうという某医療ジャーナリストの発言記事。カルテというものはそもそも公的文書である。開示は慎重であるべきで、実際に開示をおこなうためには個々の病院での検討会にかけ、書類を整えるなどが必要である。かなりの手数(人手と時間)がかかってしまう。ただでさえ、時間がないのにこれ以上捻出せよというのか?番組ではセカンドオピニオンが気軽に頼めるという趣旨が後にくっついていたが、カルテ開示とセカンドオピニオンを混同しているのだろうと思う。よく理解せず、いたずらに庶民をあおる報道は諸悪の根源だ。

勤務先では昨年3件の開示請求があった。うち2件は1回、風邪で受診しただけの患者さんで、何故開示欲求があったのか、私たちも首をかしげてしまった。カルテを見ても得るところはなかったろうと思う。会議でも何故カルテ開示を欲求したのか皆首をかしげていた。単なる興味だろうか?興味だけでこんなことをされたら困るのですが。

もう1件はいわくつきの患者さん。かなり昔から呼吸器系の慢性疾患で関西を中心に全国を転々としており、勤務先に受診したときも住所は不定だった。(ホテル住まいだったかと記憶している)たたたま私の外来に受診し、某疾患で2週間入院、つつがなく退院したので、その頃は何とも思わなかったが、後に大変な患者だと判明した。
入院した頃の1年前に他の先生の外来を2回受診、風邪として処方されていたが、その数ヶ月あとに別の関西の病院で結核と診断され、治療を受けていたようだ。そして、以前の外来担当医を(端的な言葉で言えば)脅していたようだ。入院時は主治医の私は知らなかったが、退院したあとからナースから噂として聞いた。その担当医がお金の支払いに応じたかどうかは知らないが(こちらからも聞けないし)、どうももっと絞れないかと画策しているのではないか・・・という噂だ。外来時には採血もレントゲンもとってあり、結核の見逃しとは思えないので別に何を言われようとひるまなければいいのだが、苦情攻撃がすさまじかったらしい、さすが右翼というべきか。
職業で云々するのは平等の原則に反するかもしれないが、定住所もなく、家族とは断絶状態の右翼行動者とは・・・。(入院した際に家族にこちらから電話連絡をしたのだが、もうかかわりあいたくない、父と思っていない、見舞いにも保証人になるのも断固拒否と宣言されていた)

患者との信頼感が危うくなりつつある今も、大部分の患者さんとは問題なく対応できている。医療訴訟が患者サイドに流れている傾向の中でも、こうした常識のある患者さんとは強調してやっていけるだろう。困るのはこの風潮を悪用して、取れるところからとってやろうと考える人たちである。右翼の患者さんもこの類ではないかと危惧している。

いつも必ずこの話題にふれておきます。
福島事件。ついに産婦人科の教授が声明文を出された。地位のある方は動きにくいとお察しするが、教授の勇気と義侠心に乾杯!ありがとうございます!

2006/03/10 (金) お礼

日記でしか動いていない、しがない私ですが、激励のメールをいくつかいただきました。特に医療関係者でない方からの激励はありがたいやら、うれしいやら!理解していただき、また今後の医療についても心配されているお気持ちをありがたく受け取りました。会の方にも転送させてくださいね。
これからは一般の人の理解をどれだけ得られるかが大切になっていくことでしょう。