砂上の楼閣。

■2006/03/21 (火)
新聞で読んだニュース。↓
 がん患者やその家族ら約2500人が全国から参加して「第2回がん患者大集会」が東京都内で19日開かれ、「最高で最適の医療をどこにいても誰でも受けられる日本にしたい」とするアピールを出した。
 アピールは「自分に最適・最高の治療など、がん医療の情報は患者にとって希望の星」と訴え、厚生労働省が10月に設立を予定している「がん対策情報センター」の運営に患者も加え、体制を充実するよう求めた。
 集会では主催者の「がん患者団体支援機構」の俵萠子(たわら・もえこ)理事長が、がんによる痛みを和らげる緩和医療の推進も盛り込んだアピールを読み上げ、大きな拍手で採択された。厚労省など関係機関に提出する。
 大集会は、死因1位で年間約30万人が亡くなっているがんの医療に関する課題を患者の立場から話し合い、正確な情報や最善の医療を求めて病院を転々とする「がん難民」の救済につなげるのが目的。
 パネルディスカッションでは、患者らが「宣告から切除まで順番待ちで2カ月もかかった。専門医を増やしてほしい」「医師は忙しく、医師と患者をつなげる人材の育成が必要」などと訴えた。
↑引用終わり。

理想論はごもっともですが、この宣言に脱力感を覚えた医療関係者は少なくないと思います。今、それどころではない切実な問題(医者がまっとうな医療をできないような時代)が起きていることは全く触れないのですね。「全国均一の安全で安価で良質な医療」が幻想であることに、いつになったら目を向けるのでしょうか。道路や教育施設など何を例にしても上のようなスローガンは達成不可能です。生命健康が別とおっしゃる方もいますが、実際の国の政策は医療機関と医療従事者の首絞め強化になっており、しかも検察警察の不可解な関与も強くなってきています。そのような背景に全く触れない、このような集会のスローガンは砂上の楼閣です。そしてこのことに気づかない国民の存在に絶望すら感じてしまいます。
癌患者の苦しみはもちろんわかっていますが、わかった上でもこのような感想を抱いてしまいます。