臨床医の醍醐味とは。

■2006/05/01 (月)
大型連休とあちこちで言われているが、連休とは無縁の人も多い。たとえば百貨店やサービス業の人たちはGWがかきいれどき、普段以上に多忙な業務をこなしているのだ。と積み上げられたカルテの山を前に、自分だけではないのだと自分を鼓舞してみる。必死で数人こなしても山が低くなる前に新たなカルテが加わる。月始め(1日から病院へ行くものではない、と考える患者さんは案外多い)で連休のハザマだというのに、今日は本当に外来患者さんが多かった。

外来をしていると医者なんて半分接客業だと改めて思う。患者さんのニーズがどの部分までか〜薬だけ希望か、検査も希望なのかを瞬時に判断し、頭はフル回転で症状をまとめ必要なら検査を追加・診断・処方を下す一方で、口で話さねばならないことがどれほど多いことか・・・。最近は処方する際には薬の副作用の可能性にも必ず触れるようにしているし、最終的に診断がついていない人には、今後どのような展開が予想され、どう対処すればよいかの指導を行い、また万が一のトラブルの可能性も話している。間違いなくものすごい単語量を話していると思う。かつ、話したことや考えたことをカルテに記載するようにしているので、ボールペンの減りも激しく指タコが消えることはない。

なんだか純粋な医療以外の部分、防衛医療のためとか、保険請求のためなど、医者になるまで知らなかった雑用ばかりが増えていくようで悲しいが、良くなっていく患者さんをみると、自分が少しでも役に立ったのだと実感できてホントに嬉しい。そんな時、心から医者をしていてよかったとも思う。人の役に立つことを肌で感じられる、それが臨床医の醍醐味なのだ。