精神的な疲労。

■2006/06/08 (木)

どうしても国のすることに疑問ばかり湧いてくる。今日もグチだらけです。

最近のニュースより。
1)後絶たぬ終末期治療に厚労省、指針づくり急ぐ。 
国民の倫理観の見直しをして欲しいのです。現場の医療に口出しは余計です。それぞれの病態があり、個々の状況は違います。こうなったらこうせよ、よいう指針は終末期医療にはかえって迷惑だと思います。
2)がん対策基本法案。何を目的とし、どう動かそうとしているのでしょうか。また掛け声だけの天下り団体を増やすだけに終わりそうな気がするのですが。むしろ本当に癌を減らしたいのであれば、肺癌なら「喫煙禁止」あるいはタバコ値上げがもっと確実に効果的でしょう。また検診で胃透視を胃カメラに変更する指導も即効性があると思います。これだけやったという面子と言い訳のために絵に描いたもちが増えるだけのような法案は御免です。
3)24時間体制で往診や訪問看護をする在宅療養支援診療所への届け出。
開業医さんがどこまで24時間体制で取り組んでくださるのか不安です。今のように電話1本、あるいは簡単な往診ですぐに病院へ送る体制が変わってくれたらいいのですが。ひどい開業医さんになると、患者から電話があってもその電話口で「○○病院へ行け」と指示するのに、○○病院には開業医から何の連絡もとってくれない、そんな開業医さんが少なくないのです。
4)自殺対策基本法案。
しないよりまし、という消極的見方です。この法案の前にすることがもっとあるのではないでしょうか。
5)アフリカのために働いている医療関係者に贈る「野口英世賞」。
他国との良好な関係を保つのは結構なことですが、日本そのものが崩れかけています。

なんだか国会の法案は人気取りが先にたってしまっている気がしてならない。医療の問題(たとえば最近の奈良の産婦人科の訴訟など)については、悲しくて悲しくて書きこむ元気すらない。疲れきった気持ちに鞭を入れつつ、ヨロヨロと勤務を続けている私。一歩何かで突付かれれば倒れてしまいそうだ。良くなった入院患者や元気に通院する患者さんたちだけが仕事を続ける元気を与えてくれている。こんな勤務医がごまんといる。そして疲れたもの同士がグチを言い合い慰めあう・・・・。崩壊という言葉が頭にちらつく。