情熱大陸。

■2006/06/11 (日)

少し前に週刊誌で推薦してあった、沢木耕太郎さんの「凍」を読んだ。単独登頂、酸素ボンベなしの登攀をモットーとする山野井夫妻の壮絶な登山記録である。すさまじいギャチュンカン北壁登攀を終えて、夫は手足の指を5本、妻は18本をなくした。それでもなお登山は素晴らしい、私たちの行き方に間違いはなかったと言える前向きな強さと明るさはどこから湧き出るんだろう?フィクション以上の夫婦の歩みに圧倒されたのだった。

今日の情熱大陸はこの山野井さんを取り上げた。その後の彼らはやはり、奥多摩で清貧で簡潔なすがすがしいほど登ることに集中した生活を続けていた。第二関節から先の指を失っても、野菜を作り、多くの料理を作る妻妙子さんのおおらかな明るさは健在だった。そして夫泰史さんはまだ次の挑戦をあきらめていなかった。地獄のようなギャチュンカン北壁登攀と人は思うだろうが、よい登山だった、自分のしたことは正しかったと自信を持って静かに語る姿。ポタラ北壁登攀では1週間眠らず登りつめたそうだ。そして秋には新しい山に挑戦する予定だという。
(山野井通信。→http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi4.htm)

疲れた私は、山野井さんから「勇気とあきらめない気持ち」を思い出させてもらった。情熱大陸、良質な番組です。