まっとうな手続きは必要だろう。

■2006/10/02 (月)

宇和島での腎臓売買問題。移植を行った医療機関への批判が強まってきている。確かに、宇和島での腎臓移植件数の多さは異常といえるほど。しかも、臓器提供者や移植希望者への説明や同意を口頭だけで行い、文書による同意がないことが明らかにされた。

今どき、同意をとらずに侵襲性のある行為をおこなうとは信じられない。倫理委員会とまではいかなくとも、同意書は単に形式だけのもので実効性は乏しいという批判もあるが、やはり医療側がどこまで説明し、患者側が理解していたかの証拠を残していなかったのは批判されるだろう。

医療サイドも「みんないい人」という漠然とした印象で医療を行ってきた慣習を改めなくてはならないのだろう。病院が戸籍の照会など詮索する必要はないと思うが、親族からの生体移植を希望する場合は、今後警察や役場で身分を証明する手続きを踏んでもらわなくてはならないのだろう。人を信じられない世の中になってしまったのが悲しい。

前から何回か書いているように、個人的に臓器移植医療には懐疑的だが、海外での移植が盛んになるよりも国内移植が進んだ方がよいとは思っている。このような事件で、日本国内での移植医療が後退してしまったとしたら、本当に残念だ。

ところである噂によると、簡単に移植してくれるという裏情報も流れていたようなので、これが氷山の一角?という恐れもある。まさか・・・と思いたいが。この事件でまた病院は悪というイメージがつけられたらたまらない。