一瞬の風になれ。

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-

■2007/04/06 (金) 書店の店員さんが選ぶ、本屋さん大賞に「一瞬の風になれ」が選ばれた。
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「最も売りたい本」佐藤多佳子さん「一瞬の風になれ」
 全国の書店員が「最も売りたい本」を選ぶ第4回「本屋大賞」の受賞作品が5日、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」(講談社、全3巻)に決まり、東京都内で贈呈式が開かれた。

投票の上位10冊をまず選抜し、この10冊で再投票をおこなうという決め方だったかと思う。この10冊の中で私が知っているのは大賞受賞の本だけだった。文学少女は遠くなりにけり・・・。
佐藤さんの本は図書館でかなり順番待ちをして借りてきて、4月始めの学会直前に読了した。三冊分冊で、タイトルも素敵だが、それぞれの副題がまた粋だ。1には「いちについて」、2は「よーい」、3は「どん」。1から2はなかなか世界に入りづらかったが、2から最後までは青春時代が戻ったかのように感じつつ、一気に読んでしまった。読後感のなんと爽やかなこと!みずみずしさがほとばしるような、清涼飲料水のような小説だった。大賞おめでとうございます!

内科学会総会の勇者。

natsuki8212007-04-05

■2007/04/05 (木)
4月3日から5日まで大阪で内科学会があった。
学会参加にあたり、この際患者の整理も一挙にしようとオーバーワークになってしまった。日記もさぼってしまった。

内科学会は、あまり専門性を問うという趣旨ではなく、トレンディーな事柄を広く浅く学ぶチャンスだと理解している。今回は朝から最後までしっかり聞いてきた。途中、船をこぐ講演の時間もあったが八割がた網羅できたと思う。

演者は各大学の教授やその道の第一人者であるが、講演のうまい下手はあるものだ。立て板に水のように話しても、理論だけで現場の汗の重みのない講演(前回の黒川先生のように)は私は苦手。また専門の中では価値が高くても、一般内科に理解不能の講演も苦手だ。でも3日間の学会で得るところは大きく、後ほど学会で得たポイントをまとめてみたい。

中日のお昼に総会がある。理事の承認や脱退者や規則の変更などの総会だ。初めて参加したが、決められた事項に反対することなく終わることは間違いない形式的な会であると理解していたが、その通りで、滞りなく終わるその瞬間に勇者が現れた。

聞き漏らしたのだが、自己紹介された上で、このような機会でもないと一般会員が学会のトップの方のご意見を聞けないのであえてお聞きしたい点があると、フロアから質問されたのだ。あの広い国際会館の大ホールで、お歴々を前にして!
(大雑把に言うと)昨今の国民からの医療レベルの過剰な期待、マスコミからの時には捏造とも思えるバッシング、更には理解しがたいレベルの医療訴訟などについて、日本最大の学会である、内科学科としての意見はどうであるのか、また学会からのコメントの発表はないのかを質問された。
私はフロアの片隅で拍手喝さいを送りたかったが、閑散としたフロアは静かなままだった。(がっかり)
対する理事たちは、自分たちもそのことを十分任認識している、しかし学会のテーマにするには時間がなかったこと、学会の内容は極めて多岐にわたるので、テーマに入れる余裕がなかった。続く日本医学会総会で幾分取り上げられているので参考にして欲しい、もっとも医学会と内科学会は別であり言い訳にならないことは承知している。今後、理事会でも更に話し合い、何らかの対応を取りたいと思っていると、かなり時間をかけて真摯に回答された。
残念ながら、マスコミへの対応や一般国民へのメッセージには全く触れていなかったし、具体的に今どういう見解を持っているのかも示されなかった。玉虫色の体のいい逃げ口上だったのか否か、今後の学会の動向を見守りたい。

ああ、でもどなただったんだろう?あの勇者は!
彼の質問が今学会での私が受けた最大の衝撃だったことは間違いない。

勇者→英雄といえば、やっぱりセナ。ということで今日の一枚はマクラーレン時代のセナから。

春分の日に。

■2007/03/21 (水)
夜中に突然厚労省が十代の患者へのタミフル投与禁止を発表した。高い所から突発的に飛び降りるという、奇妙な行動と薬との関連は実証できていない。日本独特の症状であるのも薬害を断定しにくくしている。マスコミは曖昧さを残した発表に批判的だが、今の時点では止むを得ないのではないだろうか。

実際に外来では、この種の副作用の疑いを話しても、投薬を強く希望する人がいるのは事実。はっきりと禁止という方針を出してくれたほうが、対処しやすいので、私個人としては、今回の対応は評価している。第一、ほとんどのインフルエンザはタミフルなどなくても時間がくれば治癒するのだから。メディアは厚労省を批判する前に、自分たちが「特効薬」ともてはやした姿勢も反省してもらいたいくらいだ。

さて、昨日から私のデューダ問題が大きく前進した。いくつかあった話のうち、やりがいと将来性を鑑みて、某所の誘いを受けることを決心した。今回ほど強く口説かれることはもうないだろう。私の人生の最後の大きな賭けだと身震いする思いだ。

最近お気に入りの玉木さんの画像を自分へのはなむけにそえておこう。

やっと報道が動く?

■2007/03/20 (火) ↓のニュース。大手の報道ではっきりと書かれたのは初めてかもしれない。

勤務医不足深刻、5年で430病院が救急指定返上
3月20日3時13分配信 読売新聞
 全国の「救急告示医療施設」(救急病院)の総数が過去5年間で「医師不足」などを理由に1割近く減っていることが、読売新聞の緊急自治体アンケートでわかった。 減少傾向には歯止めがかかっておらず、いざという時に患者の受け入れ病院がなかなか見つからないなど、救急体制の危機が深刻化している実態が浮き彫りになった。 読売新聞が全国47都道府県を対象に、救急体制について聞いたところ、2001年3月末に全国で5076施設あった救急告示医療施設が06年3月末までに約8・5%に当たる432施設減少し、4644施設になっていた。今年度に入っても減少傾向は変わらず、38都道府県の121施設が救急告示(救急医療施設の指定)を撤回、または撤回する予定だ。

ここまで報道されるのに、厚労省はなぜ動かない。
せめて、救急車の有料利用や夜間の診療報酬増額くらいの指針をしめしたらどうだ?ただし、対応病院が認める本当の救急患者は例外ということもつけて。この例外部分にはある程度のグレーゾーンは含まれるかもしれない。でも患者への意識改革になるはずで、即効性が期待できる。

医者の採用事情。

natsuki8212007-03-19

2007/03/19 (月)
他の職種については知らないが、医者の採用については本当に口コミ、縁故が多い。医局派遣であれば、向こうは医局を信頼して、いったいどんな奴が来るのか、勤務の日まで知らないまま。こちらも勤務条件(休みや給与など)は知らないままで、前任者から漏れ聞くだけだ。契約書など見たこともないし、だいたい履歴書も採用されてから提出になる。これまでは、このように医局という優れた人材派遣機関が存在した。雇用先は派遣医師に不満があれば、医局にかけあい、しばらく我慢すれば別の医師に交替になる。(このときに交替理由はあきらかにされないのはかえって本人のためにならないはずだが、言われていないはずだ。噂や後任のものが親しくなった派遣先のトップから実は・・・と聞くことはあるが。)派遣医師も派遣先に不満があれば、医局にかけあい、なんとか妥協点をつくってもらうことができた。

医局制度が崩壊しつつあるので、世間知らずのお人よしだった医者も、シビアな目で職場を選ぶ時代になったのだろう。自分のセンスがわるければそれなりのリスクも覚悟しなくてはいけないのだと心を引き締めている。

それでも地方の医者の世界は、案外狭いので、お互いに面識はなくても、共通の知り合いが何人もいるものだ。やはり、他の職種に比べれば恵まれているのだと改めて感じている。

私の転職(職業は同じなので、厳密には転職とは違うが、医局を離れるのはそれに値するほどのの大きなことなのだ。)も大詰めを迎えつつある。

F1開幕。

natsuki8212007-03-18

■2007/03/18 (日)
上位チームで大シャッフルがあったために、まだ頭が混乱している。アロンソルノーからマクラーレンへ、ライコネンマクラーレンからフェラーリ、そしてそれぞれのセカンドドライバーはチームに残留・・・これだけでもがたつきはじめた頭には厳しい。今年はF1界のタイガーウッズこと、ハミルトン君が登場、期待以上の活躍だった。アロンソも、うかうかしていられない。ファンにとってはとてもスリリングなシーズンになりそうな予感。

何年落ちの車といわれようが、断トツに遅くても昨シーズンを戦い抜いた、鈴木亜久里はツワモノだ。自己もかつて全戦予選落ちというめげそうな過去を乗り切り日本人としては初の表彰台に上っただけのことはある。(全戦予選落ちって他に誰かいるのだろうか?チーム制限が厳しくなったので、これからは本戦出場をかけての予選をすることはなかなかないだろうし。)
私の中では亜久里さんはキワモノというイメージだったが、なかなかどうして。他の名ドライバーができないでいるF1チームを立ち上げ2シーズン目に入るというのは、彼の実力、人脈、資金力が並大抵のものではないということ。亜久里さんやるな〜〜〜。1戦目は目を見張るような進化を遂げたが、早速他チームからクレームがついている。フェラーリとあろうものがもっと鷹揚に構えてくれよと言いたいが、亜久里チームがそれほど脅威になりつつある証拠だ。案外亜久里さんは、クレームに困るどころか誇りに思っているのかもしれない。亜久里チームの今後にも目が離せない。

外務省フォーラム。

natsuki8212007-03-17

■2007/03/17 (土) 早朝回診(患者さんを強制的に起こして)を手早くすませ、外務省フォーラムに参加した。JRで京都へ。たまには列車に揺られる旅もいいものだ。JR職員が非常に丁寧になっているのは民営化で良くなった点か。

会場の京都国際会議場は老若男女で満席だった。早く着いたおかげで中央前から3列目で聞くことができたが、一言で言えば、日本人はもっと母国に誇りと自信を持ってよい、という勇気を与えてもらったと思う。
資源もない国で、焼け野原の敗戦国が世界2位のGDPを持つ経済大国になった。このような国は他にはない。日本人の勤勉さ・まじめさ・誠実さが原動力になったのは間違いない。過去のお詫びばかりにとらわれないで、前を向いて、日本ができること〜経済発展へのノウハウを発展途上国に教えることで、ともに更なる発展を目指そうではないかと。

キャプテン翼の話、眼鏡屋さんの話、若い時代の過去にとらわれないフランクさ、農業政策の転換の秘策・・・。麻生大臣は多方面に渡り知識が深く、雑学の面でも博学だった。フロアから真摯で厳しい質問がでたが、切り返しの鋭さ・ユニークさは、今一番の政治家ではないだろうか。次期首相はこの方かもしれない・・・。