64歳の新人医師。

■2007/04/07 (土)
ひと月ほど前のことになるが、NHKアーカイブスで64歳の新人医師という番組が放映された。NHK偏向報道傾向が好きではないが、たまにこのような珠玉の番組を出してくるので、受信料を払う気にさせてくれる。

葛城四郎さんが主人公。戦後の貧しい時代であったため、医者の道をあきらめ大阪大学を卒業し教職に就いたが(ここまででも十分素晴らしいが)、夢あきらめられず、京都大学に50歳過ぎで合格、8回めの国家試験(この頃は年に2度の試験があった)で64歳で医師になった。産婦人科医局に入り市中病院での研修生活まで紹介されていた。

高齢で医師になることについては、その方の凄さは別にして、はたして是か非かは難しいところだ。最近も某国立大学を相手取って50代の主婦の方が大学を訴えた。彼女と葛城さんの違いはどこにあったのか。番組をみたときから考えていたが、今日元新聞記者の浜田秀夫さんのコラムを読んで納得できたものがある。葛城さんは当時の京大学長に受験前にお手紙を出して受けてよいか確認をとっていらしたのだという。こういった心がけが裁判まで起こす方と違うのだはないかという印象を持ってしまう。

裁判をおこしている方はそれだけの情熱や知力をお持ちなら、他の大学を(今度は事前に年齢制限の有無を確認して)受験する方にエネルギーを向けられたら良いのにと、老婆心ながら思う。たとえ裁判に勝ったとしてもただでさえ少ない貴重な時間は過ぎていくのだから。

その葛城さんは、産婦人科から船医などを経て80歳すぎまで医師として活躍されたそうだ。残念ながらもう故人となられているが・・。番組でみた葛城さんは非常に若く映っていた。社交ダンスの名手の方なので、姿勢もよく体力や柔軟性も平均以上におありだったのだろう。本も出されているそうだ。早速図書館にネットから予約をした。いった医師としてどのような経歴を取られたのか、私も老いに向かう医者として学びたい。

NHKのこの番組のページ↓↓↓
http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2006/h070311.html#02